©TEZUKA PRO/KODANSHA
2018年7月24日発行●メールマガジン 第29号
こんにちは、シブガキです。このメールマガジンは「週刊 鉄腕アトムを作ろう!」をご購読されているみなさんに、ATOMについての情報をお届けしています。
みなさんのお手元には64号が届いているかと思います。「週刊 鉄腕アトムを作ろう!」全70号の中で最も高い高価格号にして、ATOMの最重要パーツ「メインボード」が提供され、既に提供済みの「Raspberry Pi 3」を、胴体フレームに収める、非常に大切な工程を迎える号です。
高いし、組み立ては難しい。本当に申し訳ありません。ですが、これは登っていただかないとならない山です。一緒にがんばりましょう。
■63号の難易度■
★
但し、エラーが出れば★★★★。ID3の動作確認でエラーが出た場合、手戻りが多く面倒です。
■64号の難易度■
★★★★★
組み立ての難易度は最高。工程が多く、全体に難易度が高めです。例えるなら全速力の長距離走です。一気に組み立てようと思わず、手を休めつつ、確実にひとつずつ進めましょう。
早く作れる人が上手なのではありません。
ゆっくりでも確実に進められる人が上手なのです。
【 目 次 】
01…63号の組み立てチェックポイント
●首のカクカクを気にしない
02…64号の組み立てチェックポイント
03…64号・動画1(工程1~16)フレキケーブルの挿し込みは、基本的に1回勝負!
04…64号・動画2(工程17~42)一度に2つの基板を胴体フレームに収める!
05…64号・動画3(工程43~50)指定された順にハーネスを接続する
06…4コマ漫画「ATOM製作記 その25」を配信します
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01…63号の組み立てチェックポイント
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63号は、両足の付け根にハーネスローラーを取り付け、首の動作確認をします。
▼63号作り方動画です▼
動作確認さえ無事に済めば、あっけなく完了します。またハーネスローラーは、一本ずつハーネスを通せば、問題なく取り付けられるかと思います。
●首のカクカクを気にしない
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問題は、63号マガジン7ページ工程12の動作確認です。気をつけて欲しいのは、作業台にATOMを寝かせ、動作確認時に、向かって右のツノが、机などにつっかからないように、頭の高さを調整してください。
この首のID3の動作確認は、すでに一度60号で一度済ませています。しかしこの時の動作確認は、ID書き込みされていない場合を除き、エラーは出ません。ですから、基本的に皆さんのID3は、確実に書き込みが完了しているという前提になっています。
それなのに、この63号でエラーが出るとすると、ID3のサーボホーンの取り付けで0点(白い点)がズレています。63号7ページの「取り外し手順」を参考にバラして修正してください(57号8ページ工程21を参照してください)。手戻りが多いですが、根気強くお願いします。
また、63号マガジン7ページの工程12の動作確認で、首がカクッと不安定な動きをする場合もあります。シブガキの組み立て中ATOMでも、このカクッとした動きがありました。
▼カクッという動画▼
こうした動きをしても、エラーが出なければ問題ありませんから、気にしなくても大丈夫です。
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02…64号の組み立てチェックポイント
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さて、問題の64号です。64号は組み立て工程が多いのですが、その組み立てが正しいのかどうか? 動作確認がありませんので、工程を一つ飛ばしていたり、取り付けを間違えていても、ミスが発覚しにくいです(発覚するのは67号になります)。ですから、本当にひとつずつ、確実に組み立ててください。
そのために!
1●最初に動画を全部見る!
64号の動画は、なんと3本あります。工程の全体を把握し、これから登る山の全景をイメージしましょう。
▼64号作り方動画▼
64号に関しては、動画1本分の工程を1日の作業とし、3日に分けて進めてもいいくらいです。夜中に一気に組み立てようとすると、想像以上に時間がかかると思います。組み立てを焦って、ミスを犯しては、元も子もありません。
2●マガジンの写真と、手元のパーツを全く同じ状態にして作業する。
手元にあるパーツで、マガジンの写真の再現するように、まったく同じ向き、同じ持ち方、目の高さで組み立て作業をしてください。もし、あなたが左利きであっても、64号に関しては写真どおりにパーツを持ち、作業してください。
あと64号では、小さなコネクターをたくさんメインボードに挿します。視力に自信の無い方は虫メガネを用意してください。シブガキは「ハズキルーペ」が欲しくなりました。
3●赤ペンでマガジンの文字を塗りながら進める。
面倒だと思っても、64号に関しては、ココまでやっていただきたいです。パーツを写真どおりに並べ、次にマガジンの工程を赤ペンでなぞり、どう組み立てるのか頭に入れて、ひとつずつ確実に進める。それぐらい、慎重になってもいい号です。
以下、組み立てのチェックポイントを解説しますが、3本の組み立て動画に沿って、3つに工程を分けて解説します。
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03…64号・動画1(工程1~16)フレキケーブルの挿し込みは、基本的に1回勝負!
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▼64号作り方動画 その1▼
まず最初に、Raspberry Pi3に挿していたSDカードを、再度抜き挿しします。なぜ、こんなことをするかというと、SDカードとRaspberry Pi3の接触を良くするためです。次からの工程が問題です。一回で成功させたい工程が、やってきます。
タッチセンサーの貼り付け、Raspberry Pi3へのアダプターボードの取り付け、に続く一回で成功させたい工程。それがフレキケーブルの差し込みです。
組み立て工程の担当者によると、フレキケーブルを挿す作業(64号6ページ工程7と11)は、慎重にやれば、やり直しできるそうです。ただ、挿したり抜いたりして金属部分が剥がれると(64号6ページ「フレキケーブルの取り扱いには最新の注意を!」の写真を参照)、63号のパーツをもう一度購入していただくことになります。
そしてこのフレキケーブルの挿す作業で、最も大切なこと。それは
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まっすぐに挿し込むこと
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そのためには
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必ず両手でフレキケーブルをつまみ、挿すこと
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です。必ず64号6ページ工程7と11の写真と同じように、両手の親指と人差し指でフレキケーブルをつまみ、挿してください。そうすると左右均等に力が入り、まっすぐ下へ挿すことができます。
▼フレキケーブルを挿す時の指▼
Raspberry Pi 3(アダプターボード)側
メインボード側
挿す時のコツです。Raspberry Pi 3のアダプターボードにフレキケーブルを挿しこむ時、ちょっとガタガタします。そこで下の写真のように、付箋をアダプターボードの下に噛ませると安定して、まっすぐ力を入れやすくなります。
▼付箋で固定する▼
フレキケーブルを挿す時は、必ず金属部分が手前に見えています。青い部分が見えていてはいけません。裏表を間違えないように。
▼参考写真▼
次に63号7ページ工程13でATOMを、うつ伏せに寝かせます。この時、安定するうつ伏せポーズがありますので、参考にしてください。
▼安定するポーズ▼
それからID2のサーボモーター用ハーネスを通す、胴体フレームの穴ですが(63号7ページ工程15)この穴です。
▼この穴を通す▼
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04…64号・動画2(工程17~42)一度に2つの基板を胴体フレームに収める!
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▼64号作り方動画 その2▼
Raspberry Pi3とメインボードを、同時に胴体フレームに載せる、という工程です。簡単なようで、混乱しやすいので、写真と同じように、写真を再現するように、作業してください。
まず最初に64号7ページ工程18が、ポイントです。この写真のように、2つの基板を置いてください。確認すべきことは。
1●基板の向きと、裏表が写真どおりになっているか?
2●フレキケーブルが、写真のように文字が印刷されている側が、上になっているか?
確認したら、64号マガジン8ページの工程19~21を行います。動画を参考に、USBケーブル60mmのコネクタを挿してください
▼動画をご覧ください▼
※若干、動画ではコネクタの挿し込みが緩いです。64号マガジン8ページ工程21の右側写真のように、根元まで挿してください。
コネクタを繋いだら、64号マガジン8ページの工程22~25です。手の動き、メインボードの差し込み場所など、この一連の動きは、パーツを実際に手に持って、何度かリハーサルしてみてください。両手がふさがっているので、落ち着いて、ゆっくりと進めましょう。
特に大事なのは、64号マガジン8ページの工程22の写真の持ち方。この手の位置のまま、90度前に倒すようにして胴体パーツに収めてください。この時、基板を胴体パーツにグイグイ押し付けて基板を傷めないようにしてください。
さぁ、これで大きな山は乗り越えました。
残るは、首から出ている各種のハーネスやケーブルを、メインボードに取り付ける工程です。難しそうに見えますが、マガジンの写真どおりに、取り付けていけばOK。問題はコネクターが小さいこと。そして、コネクターの裏表が分かりにくいこと。見にくい時は、虫メガネを用意したほうがいいです。
そしてRaspberry Pi3のビス留め。ここまでで、かなり神経を使っているかと思います。滑りやすいネジですから、ドライバーで基板を傷つけないように気をつけましょう。
この時、Raspberry Pi3の基板と胴体フレームの間に、フレキケーブルを挟まないようにくれぐれも気を付けて。ビス留め前に、胴体フレームと基板で挟んでいないか、横から確認してください。
▼横から覗いてチェック▼
あと、同様に64号11ページ工程38の部分を先に読んでおいて、フレキケーブルを正常に収めるようにしましょう。
あと注意が必要なのは、工程39です。右肩のストッパーが、アダプターのジャックに接触する可能性があるので、それを予防します。これは組み立てる人のクセや、ネジの締め具合などで、確実に接触する場合もあれば、大丈夫な場合もあるようです。
シブガキの場合は「う~ん、まぁ大丈夫だけど、絶対に接触しないとは言えないかな」くらいの感じでした。いろんな要因があって、接触する・接触しない、という結果なので、うまく組み立てているから接触しないとか、そういうものではないようです。
▼シブガキの例▼
この接触を避けるために、アダプターボードの位置を修正するのですが、指で少し背中側に傾けるという感じです。あまり強く押し倒してはいけません。接触しなければいいというレベルですからね。
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05…64号・動画3(工程43~50)指定された順にハーネスを接続する
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▼64号作り方動画 その3▼
両手両足、頭部からのハーネスをメインボードに挿していきます。ここで理解していただきたいことは、工程43に書いてある赤字の部分。
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黒色コネクタが、黒色のジャックに。茶色のコネクタが、茶色のジャックに取り付けられていれば、どこに挿しても問題ありません。
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ジャックとコネクターの色さえ合っていれば、ID何番のハーネスはここじゃなきゃダメ! という決まりはないのです。ただ、2つだけ守ってください。
1●ハーネスを挿す順番は指示通りに
両手と頭部のハーネスに関しては、64号12ページ工程44と45
両足のハーネスに関しては、64号13ページ工程48と49
これが一番挿しやすい順番なので、この順で挿してください。
2●コネクタとジャックの向きを間違えない
ココでコネクタの向きを間違え、強引に突っ込み、ジャック側の金属が折れたりしたら、高いメインボードを買い直すことになりますからね。気を付けてください!
▼この写真のようにしっかり根本まで挿す▼
はい、これで全70号のうち最も組み立てが難しい号が終わりました!
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06…4コマ漫画「ATOM製作記 その25」を配信します
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▼マンガ(連載第25回)は一番下に▼
マンガ/オイユウタ●秋田県出身。「第二回少年ジャンプに絶対載るギャグ賞」にてNo.1を受賞し、「4プラ(4コマ+)」でデビュー。メタルとゲームをこよなく愛する。